救急車が到着するまでは20分くらいであろうか、わたしにはそれが何時間にも感じられた。
	その間にNの様子を伺(うかが)い、両親に連絡した。
	わたしにできることはそれくらいであったからだ。
	しばらくして、けたたましいサイレンを引き連れた救急車が現場に到着した。
	わたしは出来る限りの情報を隊員の方に伝え、一刻も早く彼が病院へ運び届けられるように祈った。
	それと同じくして警察車両も到着し、事故の処理と現場検証が始まった。
	緊張の糸が切れたのか、Nが泣いたので、わたしは謝りながら抱き締めた。
	その時、わたしは身体が震えて力が入らないことに気が付いたのである。
	
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