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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年6月15日月曜日

追憶 1008

車を走らせてしばらくすると、携帯電話がけたたましく着信を知らせた。
画面を見ると、それは父親からのものである。
車を路肩に停めて、五月蝿(うるさ)く鳴り続ける着信に応じた。
父親が連絡してくるのは、何かしらの業務連絡である。
わたしたちは、日常会話を楽しむために電話を用いることはなかった。
連絡が着た時点において、わたしはその内容をある程度予測することができた。
受話器越しの父親は落ち着いてはいたが、その言葉は緊急を伝えるものであった。
それは、大雨と山財ダムの放流によって、岩松川から大量の葦が北灘湾に流れ込んでいるので、今すぐに戻れということであった。



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