この痛みは、切なさであった。
愛する者を失った時の辛さである。
わたしは久しく忘れていたが、ようやく思い出すことができた。
その時、わたしは自らの心に同情が生まれていることに気が付いたのである。
わたしもこの痛みに苦しめられたことがある。
どうしようもなく辛いのだ。
わたしはこの思いをかわいそうに思った。
この辛さを自分自身に置き換えて考えることができるのである。
その時、わたしは人影を見た。
それは十代の青年であった。
顔の作りまでは認識することができないが、なぜかそう思うのである。
わたしはこの青年が苦しみの原因であるということを直感的に理解した。
間違っているかもしれないが、それ以外には考えられないのである。
青年からは怒りの印象を受けるが、その中には悲しみが溢れていると感じるのであった。
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