Nは返事をしなかった。
わたしも答えを求めてはいなかった。
ただ、わたしは大天使ミカエルの意思に従えたことを嬉しく思うのであった。
Nからの返事が無いままに、しばらくの時が過ぎた。
ある日、Nから会いたいという趣旨のメールがあり、Nが自宅に遊びに来ることになった。
仕事以外で、それもNが一人でわたしを訪ねるのは初めてのことであった。
わたしたちは普段通りに楽しく過ごしたが、そこでわたしはNの心がいつもとは違うのではないかと思ったのである。
比喩(ひゆ)することは難しいのだが、何か心が晴れたような、純粋さが増したような、そんな感覚であった。
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