一連の経緯を聞くNの瞳は、真っ直ぐにわたしの瞳を捉えていた。
Nは不思議そうな顔ではあるが、一生懸命にわたしの話を理解しようと努めているようであった。
ナイフが無くなると、Nもわたしも胸の痛みが嘘の様に消えていた。
後日、Nがわたしを訪ねた。
Nには話したいことがあるようであった。
わたしが青年にナイフを返した翌日、Nは普段通りに登校した。
そこで、普段通りに過ごしていた。
そこに一人の男子生徒がいて、彼がNに対して「胸が痛い」と胸を摩りながら訴えていたとのことだった。
Nはこの時に、青年が誰であるのかを理解したのである。
それは、わたしよりも以前に交際していた青年であったのである。
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