わたしにできることと言えば、この方法が間違っていると教えることくらいだろう。
わたしには彼の心を操作する力は無いし、それは彼の仕事なのである。
わたしには誰の心も変える力は無いし、他人を救えるなどと思ったことはない。
わたしに救えるのは自分自身だけである。
人は自分以外を救うことなどできないであろう。
他人を救えると考えるのは思い違いであり、思い上がりである。
この青年を救えるのは、青年自身だけなのだ。
わたしはナイフを掴む指に力を込めた。
すると、気分が悪くなるのを感じて、ゲップと共に黒い煙のようなものを吐いた。
それは苦しかったが、わたしの愛の方が勝っていた。
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