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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年12月26日金曜日

追憶 839

部屋に到着し、わたしは中央に置いてある虎柄の座布団を前にして座り、二人は入り口付近に腰を下ろした。
わたしは全身を覆う鳥肌と胸騒ぎが強くなっていることに気が付いていたが、それを態度には出さなかった。
二人には気楽にしているように告げて、わたしは深呼吸と共に瞼(まぶた)を閉じた。
視界には暗闇が広がっていたが、そこには何らかのネガティブな感情と気分の悪さがあるように思える。
そこはとても居心地が悪いのである。
その時、わたしは弾かれるようにして、強制的に瞼が上がるのを理解した。
秒速約30万キロで角膜を通過し、水晶体を超えて硝子体に入り、網膜から運ばれた情報を大脳が認識するのには、一瞬ではあるが、それは普段よりもコンマ数秒だけ遅れていた。
所謂(いわゆる)、目が眩んだ状態である。
そうなったのは、わたしが自らの意思で光を取り入れた訳では無いからである。

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