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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年7月7日月曜日

追憶 667

わたしが近付くと、獣の発する殺意が濃くなった。
全身の毛を逆立てて必死に威嚇(いかく)する野良猫のように、獣はわたしに対して最大限の敵意を以て迎え受けようとしていた。
わたしは怖くはなかった。
わたしは光である。
恐れはないのだ。
それに比べて、目の前の獣はわたしを恐れているようでならない。
わたしのことが怖いから、必死に威嚇しているのだろう。
野良猫は人間が怖いから威嚇するのである。
この黒い獣もわたしのことを恐れているに違いない。
弱い犬程よく吠えるという言葉があるが、あれは真理を現している的確な言葉なのではないだろうか?
黒い獣に手が届きそうな距離まで近付いた時、わたしは強い吐き気に襲われた。

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