「ありがとう」
そう聞こえた。
わたしの心には、白い犬からの感謝の気持ちが幾つも届いているのである。
あまりに執拗(しつよう)に御礼を繰り返すために、わたしは居心地が悪かった。
そのため、わたしは白い犬を制するのであった。
すると、白い犬は聞いてもいないのに自らの身の上を話し始めた。
この白い犬はCさんを守る役割を担う、言わば守護者である。
世間では、守護霊と呼ばれる存在である。
白い犬がいつの頃からCさんを守護していたのかは分からないが、最近までは自らの役割を果たせていなかったのは事実であろう。
そこには、守護者(守護霊)としての仕方のない事情があったのである。
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