光の杭が獣の身体を貫くと、耳をつんざかんばかりの悲鳴が辺りに響いた。
黒い獣が、その身体よりも更に黒い血反吐のようなものを吐きながら倒れた。
それが出た時、わたしは安心して胸を撫で下ろした。
あの黒い血反吐のようなものが獣の中の汚れであると理解することができたからだった。
根拠は無いが、そうだと思えるのである。
わたしは手を伸ばして、倒れて動かなくなった獣を抱えた。
姿はまだ黒いままであり、本来の姿も想像することはできない。
獣を眺めていると、更に光の杭を突き刺すべきだと強く感じ、わたしは空中に手を伸ばした。
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