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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年2月6日水曜日

追憶 351

わたしがこの胸騒ぎを吐き出そうとした時、Kがニヤついた表情を浮かべて切り出した。

「ペンションの横に川原に下りるための階段があるだろ?あそこにヤバイのがいるぜ…女なんだけど、昼間っからずっとあそこにいるんだよ。今もずっとあそこから俺たちのことを見てるんだよね」

Kの話とわたしの胸騒ぎが一致した気がした。
明確な理由はないが、腑に落ちるのである。
わたしが感じる胸騒ぎはKがいう「女」によるものなのかもしれない。
わたしはペンション横の階段に視線を送った。
暗闇の中に何となくその姿を確認することができる。
しかしながら、そこに女の姿は無い。
Kには見えているであろうそれが、わたしには見えなかった。

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