「うおっ!」
Kが小さく声を上げる。
女は物凄い勢いで近寄ってくる。
わたしはこの状況をまずいと感じた。
それは、わたしには女のことを制することができないからである。
腕力でならば負けることはないであろうが、もちろん腕力が通じる相手ではない。
わたしは混乱する頭をフル回転させて打開策を探した。
その時、女は壁に衝突するように足を止めた。
「!?」
わたしはその光景に驚いた。
目の前に何が起こっているのか理解することができなかったからである。
女はまるでガラスのような見えない壁に阻まれて、こちらに近付くことができないようであった。
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