このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2018年6月29日金曜日

追憶 2091

これは、わたしが彼女達に対して、初めに問い掛けてみたかった最高の質問である。
わたしはこの質問のために、今までの質問を重ねたのであった。

"息子さんが死亡事故を起こしたら、あなたはどうしますか?殺人を犯した息子さんは悪なので、愛することをやめますか?"

わたしの質問に対して、年配の女性の思考は完全に停止した。
わたしは彼女が不自然な笑顔の奥に、動揺を隠していることを見抜いていたのである。
彼女は、それを悟られまいと必死に笑顔を作っているのであろう。
それは、仲間の若い女性と歳下のわたしの前で、立場と自尊心を守ろうとした、彼女なりの選択であったに違いない。
いつまで待っても、年配の女性からは何の回答も得られなかった。
年配の女性から得られるものは、不自然な笑顔だけだったのである。
そんなものはいらない。
どこを探しても言葉が見付からないのであろう。
それは、自分の信じていることの中に矛盾を発見してしまったからである。



0 件のコメント:

コメントを投稿