彼女は、笑顔の裏に否定を隠しながら、わたしの言葉に質問で返した。
"許されているというのは、それ等のことがあっても良いということですか?"
彼女は、わたしの言葉を納得することが出来ずにいたのである。
"もちろん"
わたしは、わざと焦(じ)らすように言葉を短く切った。
彼女の心は明らかに揺さぶられていた。
未知の生命体に出くわしてしまったような、そんな表情を見て、わたしは笑った。
そして、自らを正当化するために、彼女は再び言葉を重ねる。
"わたしは、いじめや暴力や殺人や戦争がこの世界にあってはいけないと思うんです"
言葉の中には、微かな怒りがこもっていた。
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