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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2018年6月27日水曜日

追憶 2089

わたしには、不毛な議論や、退屈な話に付き合っている時間はないのである。
そのため、わたしは後ろの年配の女性に対して、回答を促(うなが)した。
すると、彼女は社会人の一人息子がいると答えたのであった。
そこでわたしは、質問を後ろの年配の女性にだけ続けた。

”あなたは、息子さんのことを愛していますか?”

わたしがこう聞いたのは、彼女達がいじめや暴力や殺人や戦争を否定した時に、愛が必要であると主張したからである。
彼女達の主張では、どうもこの世界にはいじめや暴力や殺人や戦争は不要であり、愛が必要だということだった。

”もちろん、愛していますよ”

少しだけ間を置いた年配の女性の言葉に対して、わたしは矛盾を感じた。
どことなく自信が無いように思えたのである。

”本当に愛していますか?”

わたしは、彼女の瞳を真っ直ぐに見詰めて聞いた。



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