彼女を見送ると、わたしは再びバイクを走らせ、ダムを過ぎて里へ下りた。
	
	わたしは自宅までの帰路を内省のために使った。
	もちろん、景色も楽しんでいたし、運転にも気を配っていた。
	しかしながら、とある神社に差し掛かった時に異変に気が付いた。
	その神社は、田んぼと向かい合うようにして建てられている。
	神社の前に設けられた道路は、軽自動車同士でのすれ違いにも気を遣う程のものであるが、それが急カーブとなっていた。
	そのため、誇張(こちょう)すると神社を軸に直角に曲がらなければならない。
	わたしは当然のように、急カーブに侵入するための準備をする。
	そこで異変に気が付いたのである。
	
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