どこかで見覚えのある女だとは思ったが、空き家だと思われる民家の門戸のところで会った人だと気が付いた。
彼女はやはり生きている人間では無かった。
わたしの感じた不自然さはきっと証明されたのだろう。
あれから、彼女はわたしと一緒に山道をドライブしていたのである。
カーブミラーを通して、その存在に気が付いたのは、何かしらの学びが終わり、別れる時がきたからであろう。
わたしはエンジンを止めて、バイクに跨ったままで光の十字架を作り出した。
そして、それを彼女に”優しく”突き刺した。
すると、彼女は安らかな笑みを浮かべて沈黙したのである。
わたしが彼女を抱えると、間も無くして天から一筋の光が届く。
わたしは光に彼女を差し出した。
すると、光はわたしの腕から彼女を受け取り、そのまま天へと迎え入れたのであった。
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