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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年4月16日日曜日

追憶 1679

二人が黙ったのは、驚いたからであろう。
わたしが二人の会話を聞いていたとは思ってもみなかったのではないだろうか?
それは、物音を察知した野生動物が動きを止めて警戒する時のような感覚である。
二人はわたしを警戒しているのではないかと思える。
しかし、次の瞬間に会話が始まった。

A「こいつ気付いてるよ」

B「こいつ気付いてるねぇ」

A「こいつ気付いてるよ」

B「こいつ気付いてるねぇ」

A「面白いねぇ」

B「面白いねぇ」

AB「面白いねぇ、面白いねぇ、面白いねぇ、面白いねぇ、面白いねぇ…」

二人は歓喜を含んだ声で激しく会話をした。
そして、けたたましい笑い声を引き連れて、林の奥へと去って行ったのである。

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