始めは聞き間違いかと思った。
様々な音の重なりによって、偶然にも人の話し声のような音に聞こえたのだと思ったのである。
しかしながら、人の話し声のようなものはその後も続いた。
わたしは聞き間違いではないことを確信して、人の話し声のような音に意識を向けてみた。
どうやら、それは二人の会話のようであった。
A「…そうよ…」
B「…そうだね」
A「ねぇ…そうよ」
B「もう少し…」
A「ねぇ…」
二人は小さな声で何かを相談しているようであった。
Aの声の主が何かをしたいらしいが、Bの主が声がそれを諌(いさ)めているような具合である。
そのような問答が繰り返されていた。
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