わたしはそれを光に帰しつつ、深みへと進んでいった。
感覚的に一段降りると、暗い空間の中央にうずくまる人の姿のようなものが見えた。
肩幅から推測して、それを女性だと考えた。
わたしは人影に近付こうと足を運んだ。
すると、踏み出すほどに悲しみに沈んでいくような感覚がした。
それは、遠浅の海に向かって海岸から歩いて行くような感覚であった。
人影に近付くほどに黒い水のようなものが増し、その抵抗に歩みは妨げられた。
重たかったが、わたしは人影に辿り着かなければならないと強く感じていた。
黒い水のようなものは首元にまで達していたが、わたしはそんなことは気にせずに進んだ。
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