右の人差し指と中指は、滑る様に背中を走った。
それは、英語の筆記体のような文字(のようなもの)の羅列である。
わたしの肉体が書き記すものではあるが、その意味は理解することができない。
わたしはそれをカルテのようなものなのではないかと推測するが、真相は分からない。
文字に見えるので、勝手に天使文字と呼んでいるだけである。
天使文字は横書きで三列書き記される。
書き終えると、それを直線で四角に囲う。
すると、描いたものが強い金色の光を放ち、背中へと吸い込まれるようにして消える。
その後から、相手の心の中の情報が手に入るようになるのだ。
だから、わたしは好き勝手に人の心を知ることができるという訳では無い。
そのような作業工程が必要であるため、相手の許可を得るのは当然のことである。
0 件のコメント:
コメントを投稿