彼等は悩みを抱えていた。
それは、表情にまで現れていた。
彼等は体裁(ていさい)を守ろうとして、気丈に振舞おうとしていたが、悩みがそれに勝っていることは明らかである。
疲れ切っているのだろう。
彼等の瞳には力が無かった。
無理に笑顔を作ろうとするが、それは若鳥の羽ばたきのようにぎこちないものであった。
わたしは彼等の心中を悟った。
自分達の力ではどうすることも出来ない問題が道を塞いでいるのだ。
それに疲弊(ひへい)しているのだろう。
彼等は、手段を失っているのである。
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