少し奥に進むと、秋の夕暮れのように周囲が急に暗くなった。
幼い頃のわたしは、秋の夕暮れに切なさを覚えることがあったが、その時と同じような感覚を得た。
寂しさが、わたしを感傷的にさせるのだ。
これは、Aの心の中に存在している”センチメンタル”ではないだろうか?
わたしが向かっているのはそこである。
更に進むと、悲しみによって動揺した。
胸が切り裂かれるような痛みによって脈打ち、ここから逃れたいと思った。
わたしは歩けないと感じた。
これ以上は進みたくないのである。
その時、どこからか女の子の小さな泣き言のようなものが、わたしにそっと触れた気がした。
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