しかし、この胸の苦しさは何であろうか?
悲しみと辛さが混じり合うような嫌な思いが胸の中で叫んでいる。
それは、手が届かない場所にある背中の痒(かゆ)みのような、何とも言えないもどかしさなのである。
Aを部屋に案内しながら、わたしは胸の中で叫んでいるものの正体が気になっていた。
そして、同時にそれはわたしを高揚させた。
なぜなら、わたしにとっては、人の心に存在する破滅的な感情は”仕事”を意味していたからだ。
多くの人は苦しみを嫌うが、わたしはそれが好きなのである。
しかし、人が苦しんでいるのが好きな訳ではない。
人が抱える苦しみに向き合い、それを解決に導くことが好きなのである。
それは、わたしの役割と能力に関係していることであるだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿