「始めなさい」
	天から声があり、わたしは仕事を始める必要があることを悟った。
	Aは、その顔には似合わない緊張を浮かべていた。
	わたしがAを呼ぶと、緊張の上にぎこちない笑顔が咲いた。
	細い背中を見ると、わたしは悲しくなった。
	これはわたしの感情ではない。
	”誰か”の感情が伝わってきているのだ。
	どこかに、悲しんでいる誰かがいるのではないだろうか?
	取り敢(あ)えず、今のわたしに分かることは悲しみの感情がどこからか来ていることである。
	今のわたしに出来ることは、その出処を探すことであろう。
	
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