上昇する女の姿が光に溶けるのを見送り、わたしは悦(えつ)に入った。
なんと素晴らしい時間なのだろう。
光と触れる時には、無条件にわたしの心は満たされる。
あの光の先には必ず”良いもの”があると確信する。
それが分かるから、わたしはこの仕事が楽しいのだ。
それは、利害を想定したものではない。
純粋な気持ちが”良いもの”を求めるのである。
天が閉じ、光が届かなくなることに心配はいらなかった。
それは、老人が愛に気が付き、女が恨みを捨てて光の先へと向かったこの空間は、先程までの暗闇が嘘のように、真っ白に輝く空間へと変化していたからである。
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