このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年8月3日月曜日

追憶 1057

わたしが女を抱き締めたのは、哀れみと歓喜を含んだ愛情によるものである。
これで女は恨みの感情から解放されるはずである。
老人も、男性も、そして、わたしも…
女を抱き締めたままで右手を頭上に掲げ、指を鳴らした。
すると、天が開け、そこから金色の光がスポットライトのように降った。
暖かな光は、わたしと女を包み込んだ。
とても穏やかな気分である。
怒りの無くなった空間とは、なんと気持ちの良いものであろう。
人は、どのようなものであろうとも、抱え切れない感情を所有するべきではない。
それは苦しみとなる。
女は自らの怒りを持て余した。
そのために、それは恨みの感情となり、自分自身でも制御することができないものとなってしまったのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿