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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年8月2日日曜日

追憶 1056

黒い顔が完全に消滅すると、女はその場に崩れ落ちて動かなくなった。
老人はその光景に驚きを隠せないようである。
わたしが人差し指と中指を使って目の前の空間に円を二度描くと、そこには光の扉が現れた。
それは、わたしと女を繋ぐ時空のトンネルとでも言えば良いのか?とにかく、わたしはそこに手を差し込み、女の身体を掴んだ。
そして、力一杯にこちらに引き寄せる。
光の扉を通り、女はわたしの腕の中に収まった。
そこには安らかな表情があり、安心して眠っている子どものようだと思ったものである。
わたしが女を引き抜くと、光の扉は自動的に閉じて、消えた。

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