白い空間の中にあっても、男性は膝(ひざ)を抱えて俯(うつむ)いたままであった。
これは、男性に対する直接的な仕事ではなく、老人と女の間の問題を解決するための仕事である。
そのため、意識的な状態にあっても、男性の状態は変わらないのであろう。
しかし、女の恨みが去り、老人は前向きに変わり、空間が白くなったことを考えれば、間接的に影響を受ける男性の状態も徐々に改善されるはずである。
最後に老人はわたしに感謝を述べた。
そして、一礼して振り返り、男性の肩を抱くようにしゃがみ込んだ。
その光景を見終わる前に、わたしは”こちら”の世界に戻っていた。
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