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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年11月29日土曜日

追憶 812

しかし、わたしは言わなければならない。
勇気を出して口を開いた。

「Nを頂戴(ちょうだい)」

わたしは自分自身の口を吐いて出た言葉に驚いた。
自分自身でさえ、このように唐突な言葉になるとは思ってもみなかったのである。
しまったと思った。
主語が無ければ何のことだか分からないだろう。
沈黙の中に、わたしは慌てて言葉を続けようとした。
Cさんは狐につままれたような顔でわたしを見ていた。

「え。良いよ」

Cさんが言葉を投じた。



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