大天使ミカエルが正装している姿に少しだけ驚いたが、わたしはそれを表に出さないように努めた。
彼は何か言葉を紡ごうとしているように思える。
わたしはそれを待つ必要があり、現時点においては待つこと以外の選択肢は与えられてはいなかった。
ページをめくる手が止まり、目線が何らかの文字を追っているようである。
そして、目線がその動きを止めると、不意に彼が目線を上げた。
その目線は恐ろしく力強いものであった。
しかし、そこには大きな愛の包容力を感じるために、畏怖(いふ)と安心が同時に得られる感覚があった。
しばらく見つめ合った後に、大天使ミカエルは言葉を紡いだ。
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