そのことを意識してかどうなのかは分からないが、常識に支配される前に常識外れの妙な話を聞きに来ているのであった。
	
	
	
	背中に二度、円を描くと、そこには光の扉が生じる。
	これは、わたしとNの意識を繋げる通路のようなものである。
	人差し指と中指を空中に走らせると、そこには一筋の光が生まれる。
	光はやがて杭となった。
	光の杭を掴み、それをNの心の中に見える破滅的な意識に対して投じる。
	光の杭は一瞬にして破滅的な意識を捕らえ、その自由を奪った。
	張り付けにされた破滅的な意識はもがいているように見えたが、光の杭をどうすることもできないようである。
	わたしは手を伸ばし、破滅的な意識にそっと触れた。
	
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