金色の光からは壮大な世界を感じる。
	それは大きな包容力を以て、わたしを包んでくれているかのようである。
	わたしはその光から目を背けることができなかった。
	厳密に言うなら、目を背けたくないのだ。
	理由は無いが、その光をずっと見ていたいのである。
	それは、炎の揺らぎを意識散漫に眺めているような感覚であった。
	輝きが収まると、そこには金糸で折られた美しい花柄の布を服のようにまとった大天使ミカエルの姿があった。
	大天使ミカエルは難しい顔で、片手には収まり切らないほどの大きな緑色の表紙の書籍を持ち、もう一方の手でページをめくりながら何やら思案しているようである。
	
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