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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年9月5日金曜日

追憶 727

これは、先程のNの価値観に通じるものがある。
この女も偏見を抱いているのである。
偏見を抱いているために歪み、苦しむのだ。
本来ならば、美しさと喜びの溢れる世界なのである。
しかし、偏見がそれを阻止する。
わたしは女を助けなければならない。
この偏見の地獄を終わらせなければならないのだ。
女はNを再び偏見へと誘(いざな)うだろうことは予想ができる。
それでは、二人共不幸になってしまうのである。

女の血走った目がわたしを捉えた。
同時に、顎(あご)が外れていなければ開かないほどに口を開いた。
真っ黒な口内からは、わたしを威嚇(いかく)するかのように嗄(しわが)れた音が鳴っていた。

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