辺りが光に包まれるのを見て、わたしは瞼(まぶた)を閉じた。
	しばらくして、光が弱まったのを感じて見ると、目の前には若い女性が白いワンピースを着て立っていた。
	黒髪の美しい人であった。
	わたしは彼女には微笑みが似合うと感じた。
	「ありがとう」
	そう言った彼女の瞳は濡れていた。
	「わたしはようやく他人と自分自身を許すことができました。わたしを縛り付けるものは無くなりました。これは素敵なことですね」
	そう言って笑った彼女の頬に一筋の涙が光った。
	頬を離れた涙が地に着くと、それを合図に天が開いて太い光が降り注ぎ、彼女を力強く包み込んだ。
	わたしたちは時間が来たことを悟った。
	
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