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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年9月13日土曜日

追憶 735

辺りが光に包まれるのを見て、わたしは瞼(まぶた)を閉じた。
しばらくして、光が弱まったのを感じて見ると、目の前には若い女性が白いワンピースを着て立っていた。
黒髪の美しい人であった。
わたしは彼女には微笑みが似合うと感じた。

「ありがとう」

そう言った彼女の瞳は濡れていた。

「わたしはようやく他人と自分自身を許すことができました。わたしを縛り付けるものは無くなりました。これは素敵なことですね」

そう言って笑った彼女の頬に一筋の涙が光った。
頬を離れた涙が地に着くと、それを合図に天が開いて太い光が降り注ぎ、彼女を力強く包み込んだ。
わたしたちは時間が来たことを悟った。

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