光の天秤 -自叙伝-
このブログについて
自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
2014年9月2日火曜日
追憶 724
それから、わたしはNの首に女が巻き付いているのを見た。
この女は霊であり、破滅的な状態を得ていた。
女は頭だけの姿をしており、長い黒髪は油と埃(ほこり)で汚れていた。
女は目を見開き、苦しそうな声で何かを呟(つぶや)き、時折、歯を鳴らしているような音を出していた。
それを見た時、わたしは吐き気を催(もよお)した。
わたしが吐き気を催したのは、女の姿に対してではない。
この女の持つ破滅的な意識に対して、わたしは吐き気を催したのである。
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