このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年10月5日土曜日

追憶 392

わたしの日常は忙しく過ぎていった。
ほぼ毎日、朝の2時から漁に出ていたし、昼間は養殖業に精を出し、夕方には漁の準備をした。
帰宅するのは大抵19時を回っていた。
遅くても22時には就寝しなければ身がもたなかった。
わたしには自由に使うことのできる時間が無かったのである。
勤労なのは良いことではあるが、働くばかりではわたしの心が充足を感じることはなかった。
これは、祖父が築き、父親が守ると決めた道である。
わたしが築き、守ろうとする道ではなかった。
わたしは現状に対して不満を抱えていた。
それは、わたしには自分自身が何のために生きているのか?という疑問があったからである。
ただ、目の前の仕事をこなしてお金を稼ぐことが生きるということなのだろうか?
忙しく過ぎていく日々を眺めながら、わたしはいつもそのように考えていた。
わたしが必死に働いたところで、得られる収入はしれていた。
我慢したり、寝る間を惜しんだり、苦悩して働くのであれば、それに相応する報酬を得なければならない…
というのがわたしの考えである。


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