わたしは直感的にそれが天使の使う文字なのではないかと思った。
その理由は、文字自体が熱した鉄のように金色の光を放っていたからである。
まるで映画を観ているようであった。
わたしはMさんの背中に三行の天使文字と思われる文字を書いたが、その意味は全く理解することができない。
それよりも、この天使文字を書いた理由さえも分からないのである。
わたしの中には天使文字を見た感動と、その理由を探す困惑とが入り混じっていた。
それは、母親の時にはこのようなことはなかったからである。
わたしには初めてのことであった。
天使文字を眺めていると、わたしはそれを直線によって囲んだ。
長方形によって囲まれた天使文字は、更なる光を放って輝いた。
わたしの両手がそれに触れようとすると、吸い込まれるようにしてMさんの背中に溶け込んでいってしまった。
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