後日、わたしは老女からの連絡を受けた。
それは、いつも通りの泣き言である。
老女は、足を悪くしているのだが、その痛みや不自由が辛くて堪らないというのである。
わたしも、毎回老女のリクエストに応えて会いに行ける訳ではない。
今は、電話越しに慰(なぐさ)め、心の在り方を説く他なかった。
時間が許せば顔を見せることを告げて電話を終えた。
後日、わたしは老女を訪ねた。
わたしはいつも老女に対して事前に連絡をすることもなく、自分勝手に訪ねる。
それで良いと思っている。
玄関のチャイムを鳴らし、勝手に扉を開けて老女の名前を叫んだ。
すると、奥から返事が聞こえ、ゆっくりと足音が聞こえた。
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