週を増す毎に、わたしたちは小さなひび割れを認識した。
	それを、上から修繕(しゅうぜん)するのが習慣と成りつつあった。
	Nは学校生活とバイト生活の疲れを抱え、わたしは仕事と運転の疲れを抱えていた。
	そして、互いに霊的な存在からのアプローチに対する疲れを抱えていたのである。
	わたしたちは、次第に会うことに疲れ始めていた。
	ある日、Nがウサギを飼いたいと言った。
	それは以前、大久野島というウサギが野放しになっている島に遊びに行ったこともあり、癒しを求めていたのかも知れない。
	そこで、ペットショップやホームセンターを回り、気に入ったウサギを購入した。
	Nはそのウサギをポテトと名付けた。