光の天秤 -自叙伝-
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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
2016年2月21日日曜日
追憶 1259
診察を受けている時にも、検査結果を待つ間も、わたしには気掛かりがあった。
それは、黒い影のようなものが室内に充満していることと、全身を黒くした男に対してである。
黒い影のようなものは、運ばれてくる患者の連れてくる破滅的な意識であるだろう。
全身を黒くした男は、既に生きている存在ではなかった。
それは、救急治療室には似つかわしくなかったからである。
男は壁に張り付くように立ち、周囲の空間を黒く歪ませていた。
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