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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2016年1月29日金曜日

追憶 1236

それは、黒い人影に空いた、二つの黒い瞳であった。
大きく見開かれた眼(まなこ)には、瞼(まぶた)は見当たらなかった。
その眼光は鋭く、わたしは簡単に捕らわれてしまった。
蛇に睨まれた蛙とは、このことを言うのだろう。
人影はわたしをその眼差しで縫い止めながらも、独特の踊りのような動きは継続していた。
そこで気が付いた。
この人影は余りにも巨大である。
目測で4mくらいはあるだろう。
しかし、瓦を踏み付ける音も、手足が空を切る音も聞こえなかった。
それがわたしに更なる不気味さを与えるのである。

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