別れの挨拶の後、Aの姿は磨りガラス越しに夜の闇の中に消えた。
	しかし、今のAには千手観音の灯火(ともしび)がある。
	(初めからあったが、歪みによって囲われ、弱まっていた)
	人生には、その人にとって辛いことや苦しいことはたくさんある。
	それは、自分自身の歪みが存在しているためである。
	問題とは、それを解消するためのものである。
	Aはこれからも多くの問題に出会うだろう。
	問題を抱えている時、それは夜道を歩むようなものである。
	これまでのAは、その灯りを持たずに歩んでいたようなものだろう。
	灯りを持っていれば、虐めという過去も心を歪めることには関わらなかったのである。
	これからは、きっと大丈夫であろう。
	
0 件のコメント:
コメントを投稿