そこには見慣れた風景があった。
	ここは、Sさんの住んでいる場所である。
	わたしはSさんの家の前に立っていた。
	辺りは暗いが、見上げても空に星は無かった。
	雲が覆っているのではなく、空のある場所には黒い空間があるだけなのである。
	周囲に人の気配はなく、草花の命さえも聞こえなかった。
	すべてが静まり返り、別の世界にいるようである。
	そこで、わたしはSさんの心の中にいることを思い出した。
	ここは、霊界なのだろう。
	幻覚を見ているのであろうか?
	それとも、わたしの霊体が移動したのか?
	考えても分からないことだが、一応考えるのである。
	それは、自分の”位置”を知るためだ。
	自分がどこにいるのかを知らなければ、どこへ向かうべきなのか?何をするべきなのか?も見当がつかないのである。
	
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