「わたしの手は、あなたのためにあります。あなたの手はわたしのためにあるのです。わたしの手の数のように、多くの人に援助の手を差し伸べなさい」
千手観音の穏やかな声がわたしに届いた。
それをそのままの形でAに伝えた。
快(こころよ)い返事が返ると、千手観音は微笑みを浮かべて光の中に溶けた。
わたしは必要な仕事をした。
今までと同じように、Aは自力によって人生を切り開いていくだろう。
その中で様々な人に出会い、様々な形で援助の手を差し伸べるだろう。
これまでと違うことは、千手観音という守護者による心強さがあることだ。
人にとって、これ以上に必要な手助けがあるだろうか?
少なくとも、今のAにはそれ以上は必要ないのである。
これからの人生で、Aがどのように活躍するのか?
今から楽しみである。
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