霊の話をした後に千手観音の話をするのは気が引ける。
	それは、ただでさえ怪しい話が、更に怪しいものになってしまうからである。
	Aがわたしに対して不信感を表すのではないかと一瞬だけ迷った。
	しかし、わたしがAに対して隠すようなことは何もないと思い出した。
	それは、わたしにとってもAにとっても大切な話であると確信することができたからだ。
	わたしはAが受け入れ易くするために、冒頭にこれから怪しい話をすることを伝えた上で話を始めた。
	わたしの話を聞き終わると、Aが興奮して言った。
	「わたし…それ見たことある」
	わたしは何のことだか分からなかった。
	
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