人差し指と中指が宙に十字を描く。
	光の十字架は輝きを放ったが、女の子はそれを反射することはなかった。
	わたしは光の十字架を女の子に突き刺すことを知っている。
	だから、恐れは無い。
	小さな胸に光の十字架が刺さった時、女の子の身体は仰(の)け反った。
	まるで、電気ショックによって全身に力が入ったようである。
	悲鳴が耳に痛かった。
	すると、本来ならば口のある場所から、大量の黒い煙のようなものが吐き出されたが、それは途中で光の粒に変わり、そのまま天の光の中へと消えた。
	その光景を見終わって振り返ると、腕の中には幼いAの姿があった。
	
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