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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年4月5日土曜日

追憶 574

地鳴りのような唸り声は、やがてやかんが沸騰した時のような高音に変わった。
わたしは寒気を感じていた。
血の気が引くような感覚を覚えて身体が硬直したのである。
思考が停止して、わたしは呆気に取られていた。
しかしながら、次の瞬間には自分が何をするべきなのかを思い出していた。
わたしは恐れを感じながらも、この霊に対する哀れみと思いやりによって手を伸ばし、その黒い身体を引き寄せたのである。
すると、強烈な吐き気を覚え、口からは再び大量の黒い煙が溢れた。


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