「・・・おもしろい人」
彼女は気恥ずかしそうに笑った。
「ありがとう」
再び感謝を伝えた彼女は、二度とわたしを振り返りはしなかった。
彼女のか細い身体は、まるで落ち葉が風に巻き上げられるようにふわりと宙に舞い、光に吸い寄せられるようにわたしを離れた。
わたしは少しの寂しさと大きな喜びを感じて彼女を見送った。
わたしが手を振っていたことに彼女は気が付いただろうか?
そんなことを考えていると、天の光が降り注ぐ場所に人影が見えた。
それは、ラミエルであった。
ラミエルは天使であり、Hさんの守護者である。
そのラミエルが彼女を迎えるように優しく手を差し出していた。
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