彼女を目の当たりにして、わたしは自分が緊張しているということに気が付いた。
胸の奥が激しく脈打ち、熱を帯びている。
わたしはドキドキする心を彼女に気付かれないように落ち着かせようと必死だった。
「わたしの名はラミエル…」
その時、わたしは小川のせせらぎよりも、風によって枝葉が鳴らす音よりも、鳥たちの歌声よりも、わたしが今までに聞いた中では最も美しい声を聞いた。
それは一瞬にしてわたしの心を引き寄せ、抵抗する間も与えずに釘付けにしたのである。
彼女の美しいブロンドの髪、そして、柔らかな眼差しに勝る術をわたしは知らなかった。
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